初心者でも大丈夫!頭蓋骨の解剖学シリーズ
今回は顔面骨(がんめんこつ)の解剖学について解説していきます。
顔面骨はその名の通り、顔を形成している骨であり、いくつかの骨が合わさって出来ています。
目や鼻、口などを形成している部分でもありそれぞれ非常に複雑な形をしています。
複雑な骨の組み合わせによって「顔」の形や機能に重要な役割を果たしているのです。
そんな顔面骨についてどのような骨が関わっているのか解剖学的な構造について分かりやすくお伝えしていきます。

本記事を書いている私はオステオパシー歴8年、理学療法士(国家資格)を保有し総合病院で3年間勤務経験があります。
オステオパシー・ドクターから直接頭蓋骨について学んでいるため、記事の信頼性に繋がるかと思います。
頭蓋骨の分類
頭蓋骨は解剖学的に脳頭蓋(のうとうがい)と顔面頭蓋(がんめんとうがい)に大きく分類されています。
脳頭蓋は主に脳を保護しており、顔面頭蓋は顔面を形作っています。
分類は以下の通りです。
脳頭蓋(のうとうがい)
前頭骨(ぜんとうこつ)
蝶形骨(ちょうけいこつ)
頭頂骨(とうちょうこつ)
篩骨(しこつ)
側頭骨(そくとうこつ)
後頭骨(こうとうこつ)
頭蓋骨の模型を分解して脳頭蓋だけにしてみるとこんな感じになります。
まさに脳を覆うようにある骨ですね。
顔面頭蓋(がんめんとうがい)
頬骨(きょうこつ)
涙骨(るいこつ)
鼻骨(びこつ)
下鼻甲介(かびこうかい)
鋤骨(じょこつ)
上顎骨(じょうがくこつ)
下顎骨(かがくこつ)
※顔面頭蓋には他に口蓋骨と舌骨が含まれる。
顔面頭蓋の部分だけの模型がこちらです。
顔面骨とは
一般的に顔面骨というと、上記分類ではなく
前頭骨(ぜんとうこつ)
鼻骨(びこつ)
篩骨(しこつ)
頬骨(きょうこつ)
上顎骨(じょうがくこつ)
下顎骨(かがくこつ)
を含めた顔面全体の骨を言っていることが多いです。
顔面骨骨折なんていうとまさに顔全体の問題になってきますので、上記の顔面頭蓋だけでなく前頭骨や篩骨まで含まれていることが多いです。
ですが、解剖学的に見てみると脳頭蓋と顔面頭蓋に分類されているので、顔面骨と言ったら顔面頭蓋のことを指していることが多いです。
頭蓋領域のオステオパシーで見た時の顔面骨
オステオパシーの教科書に載っている顔面骨の定義は顔面頭蓋と同様です。
前頭骨の下につり下がり、蝶形骨の前方に位置し、14の骨から構成されているものになります。
6つの対になっている骨:口蓋骨、頬骨、上顎骨、鼻骨、涙骨、下鼻甲介
2つの無対の骨:鋤骨、下顎骨
下顎骨、頬骨、上顎骨を除いて、これらの骨は一生を通じて薄く脆弱で、柔軟性に非常に富んでいます。
顔面骨は大きく3つの部位に分けることができます。
眼窩部分
目が入る窪みの部分です。
上顎骨、涙骨、頬骨などで形成されています。
鼻部・鼻腔部
鼻の部分になりますね。
鼻骨、上顎骨、下鼻甲介、口蓋骨などで形成されています。
口腔部
口の部分です。
上顎骨、口蓋骨、下顎骨で形成されています。
【おまけ知識】顔面骨と小顔矯正
顔面骨と言ったら小顔矯正を思い浮かべる方もいるかもしれません。
ですが、小顔矯正というのは美容業界が勝手に作った造語で、何の根拠もありません。
顔面骨の解剖学を少し知っただけでも、顔の骨がどれだけ複雑な形をしているのか分かるかと思います。
そんな繊細で複雑な顔の骨をグイグイ無理な力で押すという小顔矯正は危険以外のなにものでもありません。
顔面骨には目や鼻、口が存在し、視覚、嗅覚、味覚といった大切な機能と関連しています。
グイグイ押すような無理な小顔矯正を受けたせいで、めまいや頭痛が止まらなくなってまったり、涙が止まらなくなってしまったという方もいます。
頭蓋仙骨療法やオステオパシーでも頭蓋骨の調整は行いますが、小顔になることを目的として行うのではありません。
お手当て療法でも無理な力で顔を調整するということは一切行いません。
頭蓋骨のリズム、呼吸のリズムに合わせてゆっくりと触れてあげる。
そんな優しい力で十分な調整が行えます。
顔の骨のゆがみや捻じれが解消されてくるので、結果として小顔になったり、顔がきれいになったりしますよ。
まとめ
今回のポイントをまとめます。
・顔面骨は解剖学的に言うと顔面頭蓋のこと。
・顔面頭蓋は目・鼻・口と密接な関係がある。
・巷の小顔矯正は危険以外のなにものでもない。
顔面骨は色々な骨が組み合わさって出来ていることで、さらに複雑な形をしています。
その複雑な骨の組み合わせのおかげで、私たちの眼や鼻、口の機能(働き)があるのです。
今回出た骨の名前はどれも大切なものばかりですので、繰り返しこんな骨が関わっているのだなぁと学んで頂ければと思います。
この顔面骨【初心者でも大丈夫!解剖学シリーズ】を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
まごころお手当て会代表
【生年月日】1985年2月3日
【出身】東京都調布市
【趣味】バドミントン、パソコン、筋トレ
【家族構成】妻と一児の父
【経歴】
2013年 日本リハビリテーション専門学校卒業(夜間4年制)理学療法士免許取得
2013年 医療法人社団河井病院勤務
2016年 「府中オステオパシーまるちゃん整体院」開院
理学療法士免許取得後、病院勤務にて重篤な方(ヘルニア・狭窄症などの脊椎疾患、五十肩、変形性関節症などの運動器疾患、脳梗塞後の麻痺、重度の呼吸器疾患や糖尿病、人工関節術後の方、交通事故の後遺症)を主に担当してきました。
その経験を生かし、現在は東京の府中にある整体院で病院や整骨院に行っても改善しない痛みやしびれにお悩みの方、更年期障害や難病の方などへカウンセリングと施術を行っています。
サザーランド博士から脈々と受け継がれ、発展した療法をオステオパシー医師のドクター・ジェラスからアメリカまで直接指導を受けに行っています。
また、本来オステオパシー医師ではないと受けれない頭蓋領域の内容をドクター・クロウから学んでいます。