今回から脳を部位別に、それぞれの機能について解説していきたいと思います。
脳には、前頭葉(ぜんとうよう)、頭頂葉(とうちょうよう)、頭頂葉(とうちょうよう)、後頭葉(こうとうよう)に分かれています。
今回は大脳の前側にある「前頭葉」について掘り下げて解説していきたいと思います。
認知症、パーキンソン病、脳梗塞後のリハビリなどの家庭療法として、ストレス、やる気の低下、うつ病、お子様の発達障害などとお悩みと深く関わってくる領域になります。
そのようなお悩みをお持ちの方には、ぜひ読んで頂きたい記事になります。

本記事を書いている私は整体歴15年で、整形外科クリニックでも8年間の臨床経験があります。
質の高い研修会や学会に年間100時間~200時間参加し、知識や技術を学んでおり、解剖学知識については日々研鑽していますので、記事の信頼性に繋がるかと思います。
前頭葉の発達
前頭葉は5歳~20歳までの間に発達します。
大脳の他の領域と比べて発達が遅く、老化による機能低下は最も早いと言われています。
また、知能の高い人と低い人の前頭葉をMRI画像で比較した結果、知能が高い人の方が発達に優位な差があったという研究報告があります。
運動機能
前頭葉は運動機能と関わりがあり、立ったり、歩いたり、物をとったりなど身体を動かす「随意運動をコントロール」しています。
前頭葉が損傷すると運動の開始と計画通りにスムーズに行なうことができなくなります。
記憶機能
短時間の間情報を保持し、同時に処理する能力のことを「ワーキングメモリー」といいます。
パソコンでいうと、「メモリー」の働きです。
前頭葉の働きが低下すると、記憶したことを計画通りに行なう過程で、うまく計画を立てることができず結果的に記憶力の低下という状態として現れるのです。
言語機能
左の前頭葉には「ブローカの言語中枢」と呼ばれる、言葉を話す能力がある領域があります。
ここが損傷すると、運動性失語症といい流暢に話せなくなり、たどたどしい話し方になってしまいます。
前頭前野
前頭葉の大部分を占めるのが「前頭前野」という領域です。
人間と動物の脳を比べた時、大きく違ってくるのがこの前頭前野です。
人間の前頭前野は大脳の約30%を占めていますが、人間とDNAが99%同じと言われているチンパンジーでも17%程しかないと言われています。
前頭前野の働き
前頭前野の働きとして、
・考える
・記憶する
・アイデアを出す
・感情をコントロールする
・判断する
・応用する
というような、人間にとって重要な働きを担当しているため、「人間が人間らしく」あるためにもっとも必要な存在といえます。
逆に前頭前野の働きが低下すると、
・もの忘れが増える
・集中力が低下
・考えることができなくなる
・キレたり、感情的になる
・やる気の低下、うつ状態
というようなお悩みにつながってきます。
前頭前野を活性化することは、頭の回転率が良くなるだけではなく、プライベートや仕事、勉強などに、前向きで良い影響を及ぼすことにつながります。
日々の生活を充実させ豊かに生きていくためには、前頭前野がよく働く状態をつくることが重要になってきます。
前頭前野を鍛える脳トレ
デスクワークや現代社会で生活していると前頭葉の働きが低下しやすくなりますが、ご自身でできるセルフケアで前頭葉を活性化することができます!
・カンタンな計算問題を解く
・2つの絵の間違い探しを解く
・クロスワードパズルを解く
・本を音読をする
・塗り絵や折り紙をする
・瞑想、マインドフルネス
・パートナーのいいところを探す
・料理
このような脳トレをすると前頭前野を活性化することにつながります。
お手当て療法で前頭葉を活性化!
実は、お手当て療法は前頭葉を活性化することにつながります。
前頭葉を扱う際にキーポイントとなるのは、頭蓋骨の中でも「前頭骨」です。
前頭骨はちょうど額の部分にあり、黄色の部分の骨になります。
前頭骨についての詳しい記事はこちら

お手当てにより相手に触れた刺激というのは、皮膚や筋肉の知覚センサーで感じ取り、それが神経の流れとなって脊髄を通り、脳の小脳に伝達されます。
そして、小脳から大脳へ伝達され前頭葉を活性化することにつながります。
このあたりの詳しい説明は講座の時にお話していきたいと思います!
前頭葉のまとめ
さて、ここまでで前頭葉の働きについて理解して頂けましたでしょうか?
今回のブログの要点をまとめてみますね。
・前頭葉の大部分を占めるのが「前頭前野」
・前頭前野は「人間が人間らしく」あるためにもっとも必要な存在
・脳トレで前頭前野を活性化!
・お手当て療法で前頭葉を活性化!