初心者でも大丈夫!頭蓋骨の解剖学シリーズ
頭蓋骨の解剖学、今回は後頭骨(こうとうこつ)を解説します。
後頭骨も蝶形骨(ちょうけいこつ)同様に頭蓋骨を学ぶ上でとても大切な骨になります。
後頭骨は蝶形骨と連結し、頭蓋骨のリズムを作ったり、頭蓋骨の歪みのパターンを作ります。
今回は後頭骨がどんな骨で、どんな名称なのかを解説していきます。
まずは骨の形や名前を把握していきましょう。
オステオパシー・ドクターから直接頭蓋骨について学んでいるため、記事の信頼性に繋がるかと思います。
後頭骨の位置
後頭骨の位置は頭蓋骨全体から見てみて、この青色の骨になります。
後頭部にある骨だから後頭骨。
名前のまんまですね。
下から後頭骨を見てみるとこのような感じです。
大きな穴が開いているのが分かります。
この穴は脳から脊髄神経が通るための孔になります。
後頭骨はこんな骨
後頭骨単体で見てみるとこのような形をしています。
薄い平べったい感じの骨です。
上から見てみると
このようになっており、なんとなく4分割されていたような面影があるのが分かるでしょうか?
もともと後頭骨はこの4つの部分で分かれていて発達していきます。
この4つの部分は出生時にそれぞれ軟骨によって連結しています。
出生時には軟骨による連結で脆いように思えますが、脳を包む硬膜(こうまく)が非常に強く、よっぽど出生時における衝撃がない限り、後頭骨の位置関係は正しい位置に戻ります。
成長に伴って軟骨が完全に骨化(こつか)して今のような形になります。
後頭骨で憶えておいて欲しい代表的な部位を紹介します。
大孔(だいこう)もしくは大後頭孔(だいこうとうこう)
脳から脊髄神経が通るための孔になります。
内後頭隆起(ないこうとうりゅうき)
4つの分かれていた部分が合わさって隆起している部分です。
頭の内側を内後頭隆起と言います。
外後頭隆起(がいこうとうりゅうき)
こちらは頭の外側にある隆起です。
自分の後頭部を触ってみてもボコッと隆起しているのが分かる部分です。
このボコッと隆起している部分は人によって隆起の仕方が変わります。
すごくボコッと尖っているような感じの人もいれば、平べったい方もいます。
後頭顆(こうとうか)
後頭骨と環椎(かんつい)という頸椎の一番上にある骨との連結部分になります。
頭蓋骨と頸椎をつなぎ後頭環椎関節(こうとうかんついかんせつ)を形成します。
後頭骨は頭蓋骨の中で唯一頸椎と連結している骨でもあります。
後頭骨底(こうとうこつてい)
後頭骨と蝶形骨が連結する部分になり、後頭骨の一番底にあたる部分です。
舌下神経管(ぜっかしんけいかん)
舌下神経(ぜっかしんけい)とは舌を動かすために働く神経です。
その神経が通るための穴になっています。
後頭骨と側頭骨(そくとうこつ)のつながり
頸静脈孔(けいじょうみゃくこう)
頸静脈孔は後頭骨と側頭骨(そくとうこつ)が連結している部分にある穴で、非常に重要です。
脳や頭部から心臓に戻るための静脈が通る穴になります。
つまり、後頭骨や側頭骨、頸椎などに歪みや捻じれが生じていると、脳や頭の老廃物を流すための静脈の流れが滞ってしまうことになります。
そうすると脳や頭部に老廃物がうっ滞してしまい、頭痛やめまいをはじめとした様々な弊害が出やすくなってしまうのです。
頭蓋骨を学ぶ上でかなり重要なポイントになりますので、ぜひ憶えておいてくださいね。
後頭骨と蝶形骨の連結
後頭骨と蝶形骨の繋がりを蝶形後頭底結合(ちょうけいこうとうていけつごう)と言います。
この結合は軟骨で繋がっていて、ある程度の柔軟性があります。
頭蓋骨の歪みや捻じれのパターンはこの蝶形後頭底結合(ちょうけいこうとうていけつごう)のズレや捻じれから名前が付けられています。
この辺りは次回詳しくお伝えしていきます。
後頭骨まとめ
ポイントをおさらいします。
・後頭骨には大孔という脊髄が通る穴がある
・後頭骨は頭蓋骨の中で唯一頸椎と関節している骨
・後頭骨と側頭骨の間には頸静脈孔があり脳や頭部からの静脈が通っている
・後頭骨と蝶形骨の連結は軟骨で繋がっていて柔軟性がある
細かい解剖学的な名前は特別覚えておく必要はありませんが、上記4点は頭蓋骨を学ぶ上でとても重要なポイントなのでぜひ憶えておいて頂けたらと思います。
この後頭骨(こうとうこつ)【頭蓋骨の解剖学】を書いた人

丸井恒介(まるいこうすけ)
まごころお手当て会代表
【生年月日】1985年2月3日
【出身】東京都調布市
【趣味】バドミントン、パソコン、筋トレ
【家族構成】妻と一児の父
【経歴】
2013年 日本リハビリテーション専門学校卒業(夜間4年制)理学療法士免許取得
2013年 医療法人社団河井病院勤務
2016年 「府中オステオパシーまるちゃん整体院」開院
理学療法士免許取得後、病院勤務にて重篤な方(ヘルニア・狭窄症などの脊椎疾患、五十肩、変形性関節症などの運動器疾患、脳梗塞後の麻痺、重度の呼吸器疾患や糖尿病、人工関節術後の方、交通事故の後遺症)を主に担当してきました。
その経験を生かし、現在は東京の府中にある整体院で病院や整骨院に行っても改善しない痛みやしびれにお悩みの方、更年期障害や難病の方などへカウンセリングと施術を行っています。
サザーランド博士から脈々と受け継がれ、発展した療法をオステオパシー医師のドクター・ジェラスからアメリカまで直接指導を受けに行っています。
また、本来オステオパシー医師ではないと受けれない頭蓋領域の内容をドクター・クロウから学んでいます。