今回は骨盤の解剖(構造)についてお話していきます。
当会が行うお手当て療法は、クラニオセクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)の考え方をベースにし独自に発展しています。
クラニオセクラルセラピーはオステオパシーから発展した分野です。
そのオステオパシーを創始したスティル博士は、オステオパシーを学ぶにあたって解剖学を非常に重要視していました。
スティル博士の著書「オステオパシーの哲学」にこのような言葉があります。
普段の臨床で壁にぶつかった際は基本に立ち返り、今でも解剖学の教科書を開いて日々勉強しています。
専門用語の多い解剖学ですが、はじめての方でも一から分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
質の高い研修会や学会に年間100時間~200時間参加し、知識や技術を学んでおり、解剖学知識については日々研鑽していますので、記事の信頼性に繋がるかと思います。
骨盤の簡単な解剖学
今回はお手当てをする際に頭蓋骨と同じくらい重要になってくる「骨盤」についてお話していきます。
骨盤って大体どのあたりあるかは分かる方は多いと思います。
しかし、骨盤を作っている骨の一つ一つのこととなるとご存じない方も多いのではないでしょうか。
ここでは骨盤の構造をざっくり解説していきたいと思います。
骨盤とは4つの骨がくっついてできています。
仙骨(せんこつ)×1
寛骨(かんこつ)×2
尾骨(びこつ)×1
の4つです。
寛骨(かんこつ):左右にある骨で骨盤の中で最も大きな骨です。もともと寛骨も腸骨、恥骨、坐骨の骨が成長に伴い癒合し1つの寛骨になります。
仙骨(せんこつ):左右の寛骨の中心に位置し、骨盤後面を覆う三角形の骨です。
仙骨も5つの仙椎があり、成人するまでに癒合すると言われます。
尾骨(びこつ):尾骨は人間が進化する過程で退化した部分(しっぽ)だと言われます。
骨盤の前面
(出典:グレイ解剖学第1版)
腸骨窩(ちょうこつか)
腸骨稜(ちょうこつりょう):腸骨の上縁
上前腸骨棘 ASIS (じょうぜんちょうこつきょく):腸骨稜の前端
下前腸骨棘 AIIS (かぜんちょうこつきょく):上前腸骨棘の下方坐骨枝(ざこつし)
寛骨臼(かんこつきゅう)大腿骨頭と股関節(臼状関節)を形成する窪み
腸恥隆起(ちょうこつりゅうき)恥骨上枝が腸骨へ移行するところ
恥骨上枝(ちこつじょうし)
恥骨下枝(ちこつかし)
骨盤の後方
(出典:グレイ解剖学第1版)
上後腸骨棘 PSIS(じょうごちょうこつきょく):腸骨稜の後端
下後腸骨棘 PIIS(じょうごちょうこつきょく):PSISの下方
坐骨結節(ざこつけっせつ)
恥骨体(ちこつたい)
閉鎖孔(へいさこう)
骨盤の関節の名前
腰椎と仙骨は腰仙関節(ようせんかんせつ)
仙骨と腸骨は仙腸関節(せんちょうかんせつ)
仙骨と尾骨は仙尾関節(せんびかんせつ)
左右の恥骨は恥骨結合(ちこつけつごう)
という名前の関節で連結しています。
少しずつ、学んでいきましょう。
今まではざっくりとしたイメージをお持ちだったかと思いますが、骨盤の構造的なことを知ることで骨盤を立体的にイメージすることができると思います。
骨盤の解剖学の知識を学んだ上で、実際にそこに手で触れることによりお手当ての深みがでてきます。
解剖学は専門用語が多く、難しいように感じられるかもしてませんが、少しずつ一緒にゆっくり学んでいきましょうね。
この骨盤の簡単な解剖学を書いた人

吉原博紀(よしはらひろき)
【生年月日】1983年5月15日
【出身】広島県尾道市
【趣味】写真、旅行、フットサル、ヨガ、買い物、美味しいもの食べるなど
2004年 メディカルカイロプラクティックカレッジ卒業(全日制2年間)
2005年 MCC横浜認定メディカルカイロプラクター授与
・田園都市整形外科クリニック カイロプラクティック担当
・センター南カイロプラクティック勤務
2013年11月 「青葉台リーフ整体院」開院
普段は横浜の青葉台にて整体院を営んでいます。
頭蓋領域のオステオパシーを習得し、発達障害や自律神経系にも対応できるアメリカ発祥の機能神経学も継続して学んでいます。
現在は、うつや自律神経の不調でお悩みの方、乳幼児・子どものトラブル(発達障害、起立性調節障害など)の方を多く診させていただいております。