初心者でも大丈夫!簡単な解剖学シリーズ
今回は背骨について解説していきます。
専門的には脊椎(せきつい)、脊柱(せきちゅう)とよばれています。
背骨に関係する首こりや腰痛といったお悩みをお持ちの方は多いと思います。
また、背骨の隙間から神経が出ていますので、手足のしびれや痛みの原因となる場所でもあります。
今回は首こり、腰痛、しびれなどの原因の場所となる背骨の解剖学(構造)についてできるだけ分かりやすく解説していきます
質の高い研修会や学会に年間100時間~200時間参加し、知識や技術を学んでおり、解剖学知識については日々研鑽していますので、記事の信頼性に繋がるかと思います。
背骨の数はいくつ?背骨のカーブ
背骨は椎骨(ついこつ)とよばれる骨が繋がった柱のようなものです。
(出典:グレイ解剖学第1版)
頭側から・・
・頚椎(けいつい):7個
・胸椎(きょうつい):12個
・腰椎(ようつい):5個
の、計24個の椎骨が繋がって背骨を形成しています。
興味深いことに哺乳類の頚椎の数は基本的には7個です。
哺乳類の頸椎の数は基本的に7個です。
動物によって一つ一つの椎骨の大きさや長さは異なりますが、首の長いキリンでも頚椎の数は人間と同じ7個なのです。
英語の頭文字をとって、頚椎(Cervical spine)はC1~C7、胸椎(Thoracic)はT1~T12、腰椎(Lumbar)はL1~L5で呼ばれています。
もう一度、背骨の図を見てくださいね。
背骨は前から見るとまっすぐですが、横から見るとわずかにカーブしていることが分かりますね。
これを生理的弯曲(せいりてきわんきょく)といい、頚椎と腰椎は前弯(ぜんわん)、胸椎は後弯(こうわん)しています。
椎体(ついたい)
椎骨の円柱状の部分を椎体といいます。
(出典:グレイ解剖学第1版)
頚椎、胸椎、腰椎で形が異なり、腰椎にかかる負担は非常に大きいため、ずんぐりとした大きな形をしています。
椎間板(ついかんばん)
椎骨と椎骨の間には椎間板があります。
(出典:グレイ解剖学第1版)
中心には髄核(ずいかく)というゼリー状の物質が入っていて、その周りは木の年輪のような線維輪(せんいりん)という層状の繊維で覆われています。
脊骨にかかる負担をやわらげるクッションの役割をすると同時に脊椎が動くことを可能にしています。
椎間関節(ついかんかんせつ)
背骨同士のつなぎ目の関節のことを椎間関節といいます。
靭帯(じんたい)
背骨の前面には幅広く走行する前縦靭帯(ぜんじゅうじんたい)があり、後面には後縦靭帯(こうじゅうじんたい)が走行しています。
後縦靭帯は、椎間板が真後ろへ突出して脊髄を圧迫しないように抑える役割もあります。
この他にも、椎弓(ついきゅう)をつなぐ、黄色靭帯や棘突起(きょくとっき)をつなぐ棘間靭帯、棘上靭帯などがあります。
このような靭帯のお陰で、椎骨と椎骨をつなぎ背骨を安定させています。
椎間孔(ついかんこう)・脊柱管(せきちゅうかん)
背骨には椎間孔とよばれる空間があり、脊髄神経の通路となっています。
脊椎の椎孔(ついこう)が連なってできた細長い空間を脊柱管と呼びま、その中を脊髄(せきずい)や馬尾神経(ばびしんけい)が通っています。
背骨の解剖学のまとめ
いかがでしたか?
背骨の構造をなんとなくお分かり頂けたでしょうか?
記憶にとどめておいて欲しいポイントをまとめますね。
・椎骨の円柱状の部分を椎体という。
・椎骨と椎骨の間には椎間板があり、クッションの役割。
・背骨同士のつなぎ目の関節のことを椎間関節という。
・背骨の前面には前従靭帯、後面には後縦靭帯があり、背骨を安定させている。
・椎間孔には脊髄神経、脊柱管には脊髄が通る。
解剖学の知識というのは、場所と名前を試験勉強のように暗記してもお手当ての実践で活用できる知識とは言えないでしょう。
解剖学というのは、その構造に関わる機能(はたらき)と結びつけることで初めて実践で活用できる知識となり役に立っていきます。
次回は背骨の機能的なことについて解説していきます。お楽しみに(^_^)
吉原博紀(よしはらひろき)
【生年月日】1983年5月15日
【出身】広島県尾道市
【趣味】写真、旅行、フットサル、ヨガ、買い物、美味しいもの食べるなど
2004年 メディカルカイロプラクティックカレッジ卒業(全日制2年間)
2005年 MCC横浜認定メディカルカイロプラクター授与
・田園都市整形外科クリニック カイロプラクティック担当
・センター南カイロプラクティック勤務
2013年11月 「青葉台リーフ整体院」開院
普段は横浜の青葉台にて整体院を営んでいます。
頭蓋領域のオステオパシーを習得し、発達障害や自律神経系にも対応できるアメリカ発祥の機能神経学も継続して学んでいます。
現在は、うつや自律神経の不調でお悩みの方、乳幼児・子どものトラブル(発達障害、起立性調節障害など)の方を多く診させていただいております。