蝶形骨について【頭蓋骨の解剖】

解剖

初心者でも大丈夫!頭蓋骨の解剖学シリーズ

頭蓋骨の解剖学、今回は「蝶形骨」(ちょうけいこつ)についてお伝えしていきます。

 

「蝶形骨」は頭蓋を学ぶ上でとても大切な骨になります。
頭蓋骨の中心にあり、要となっている骨です。

頭蓋領域のオステオパシーや頭蓋仙骨療法において重要な頭蓋のリズムを作るための要にもなっています。
そんな蝶形骨ですが、

名前は知っているけど、実際どこにあるのかよく分からない
どんな形をしているのか知らない

という方も多いかと思います。

今回はそんな蝶形骨について
どこにあるのか、
どんな形をしているのか、
なぜ重要なのかを解説していきます。

 

本記事を書いている私はオステオパシー歴7年、理学療法士(国家資格)を保有し総合病院で3年間勤務経験があります。
オステオパシー・ドクターから直接頭蓋骨について学んでいるため、記事の信頼性に繋がるかと思います。

蝶形骨(ちょうけいこつ)の位置


まず、蝶形骨(ちょうけいこつ)の位置ですが、上の図でみると赤い骨になります。
ちょうどこめかみ辺りにある骨ですね。
表面からだとこめかみの部分しか見えないですが、蝶形骨は頭蓋骨の内部にある中心となる骨なのです。

 

前頭骨を外してみるとこんな感じになります。

 

また、頭蓋骨を下から(首の方から)見たときの蝶形骨の位置です。

 

なんとなく、蝶形骨が頭蓋骨の中心辺りにあることはイメージできるでしょうか?

蝶形骨(ちょうけいこつ)はこんな骨


蝶形骨自体を正面から見るとこのような骨になります。
なんとなく蝶々の輪郭に見えませんか?
蝶形骨という名前は蝶の形に似ていることから付けられています。

 


蝶形骨の部位でそれぞれ名前が付けられていますが、代表的なものをお伝えしていきます。

・大翼(たいよく)

大きい翼と書いてたいよくと読みます。
こめかみの部分になりますね。
大翼は骨ではありますが、頭蓋運動のために柔軟性が確保されています。

・小翼(しょうよく)

大翼の手前にある小さい翼になります。

・翼状突起(よくじょうとっき)

蝶形骨の下についている2対ある突起です。
さらにその突起がそれぞれ二つに枝分かれしています。
内側を内側板(ないそくばん)
外側を外側版(がいそくばん)と呼びます。

この突起には咀嚼に関わる筋肉(翼突筋)が付着します。

・トルコ鞍(とるこあん)

この窪みには脳の重要な下垂体(かすいたい)という組織が収まるようになっています。
下垂体はホルモン分泌に関わる器官になります。

・蝶形骨体(ちょうけいこつたい)

蝶形骨体は蝶形骨の中心部に当たります。

 

蝶形骨が重要なのは

蝶形骨は頭蓋骨の中心部にあり、頭蓋骨の他の骨の大半と関節しています。
蝶形骨とつながっている骨は以下の通りです。

頭頂骨(とうちょうこつ)
側頭骨(そくとうこつ)
後頭骨(こうとうこつ)
蝶形骨(ちょうけいこつ)
篩骨(しこつ)
上顎骨(じょうがくこつ)
口蓋骨(こうがいこつ)
頬骨(きょうこつ)
鋤骨(じょこつ)

 

蝶形骨は頭蓋骨のほとんどの骨と連結していることが分かります。

解剖学ではこのように中心にあり楔(くさび)となっている骨を楔状骨(けつじょうこつ)と呼んでいます。
昔は蝶形骨も楔状骨と呼ばれていたみたいなのですが、足にある楔状骨と紛らわしくなってしまうため、蝶形骨と改名されたみたいです。

 

蝶形骨は他の骨と関係して眼窩副鼻腔を形成していたりと、頭蓋骨の中心として要的な役割があります。

 

今回憶えておいて欲しいこととして、

・蝶形骨が頭蓋骨の中心に位置しているということ
・脳の下垂体(かすいたい)を入れる窪みがあること
・蝶形骨は頭蓋骨のほとんどの骨と連結しているということ

細かい解剖の名前は置いといて、この3点が大切だということを知っておいていただければと思います。

この蝶形骨について【頭蓋骨の解剖】を書いた人


丸井恒介(まるいこうすけ)
まごころお手当て会代表
【生年月日】1985年2月3日
【出身】東京都調布市
【趣味】バドミントン、パソコン、筋トレ
【家族構成】妻と一児の父
【経歴】
2013年 日本リハビリテーション専門学校卒業(夜間4年制)理学療法士免許取得
2013年 医療法人社団河井病院勤務
2016年 「府中オステオパシーまるちゃん整体院」開院
理学療法士免許取得後、病院勤務にて重篤な方(ヘルニア・狭窄症などの脊椎疾患、五十肩、変形性関節症などの運動器疾患、脳梗塞後の麻痺、重度の呼吸器疾患や糖尿病、人工関節術後の方、交通事故の後遺症)を主に担当してきました。
その経験を生かし、現在は東京の府中にある整体院で病院や整骨院に行っても改善しない痛みやしびれにお悩みの方、更年期障害や難病の方などへカウンセリングと施術を行っています。
サザーランド博士から脈々と受け継がれ、発展した療法をオステオパシー医師のドクター・ジェラスからアメリカまで直接指導を受けに行っています。
また、本来オステオパシー医師ではないと受けれない頭蓋領域の内容をドクター・クロウから学んでいます。